2022年(令和4年)の「国民生活基礎調査(厚労省)」によると腰痛の自覚症状のある人は、男女とも腰痛がトップで人口千人当たり101.7(男91.6 女111.9)との報告がありました。日本の人口1億2494万7千人のうち、約1200万人の人が腰痛の自覚症状を持っていることになります。
着席腰痛は、なぜ起こるのか
その腰痛の中でレントゲンなどで原因が特定できる腰痛は全体の15%と言われていて次ののような腰痛があります。
ぎっくり腰などの「筋性腰痛」、神経障害が要因の「坐骨神経痛」、「椎間板ヘルニア」、「脊柱管狭窄症」、関節突起間部の疲労骨折による「腰椎すべり症」「分離症」や「産後の腰痛」。この他、内臓の病気が要因の場合もあります。
原因が特定ができない腰痛85%のうち、デスクワークやゲームなどで同じ姿勢を長時間座り続けることや座る姿勢の良し悪しで起こる腰痛(以下「着席腰痛」といいます)があります。
「着席腰痛」は、まずその発生原因を知り、それらを一つずつ排除すれば予防が可能となります。
「着席腰痛」の原因は、次の2点といわれています。
姿勢(座り方)
姿勢が悪いと筋肉や靭帯に負担がかかり、腰痛が起こりやすくなります。また、体の歪みによる腰痛を発症しやすくなります。
悪い姿勢(やっている方は注意しましょう)
・足を組む
・猫背・前かがみ
・浅く座り背もたれに寄りかかる(ずっこけ座り)
・椅子に浅く座る
同じ姿勢を続ける
同じ姿勢を続けていると筋肉が緊張したままになり、血行不良による腰痛が起こりやすくなります。長時間のデスクワークやゲームなどしている時に起こりやすくなります。
着席腰痛予防するには
(1)よい姿勢を保つ(腰に負担がかからない姿勢)
良い姿勢で座るということは、「骨盤を立てて座る」です。腹筋や背筋を使って座ることになるので、腰への負担が軽減されます。
正しい椅子の座り方
通常時
・お尻を椅子の一番奥に置き、アゴを引き、背筋を延ばします。
・かかとをしっかり床に付けた状態にします。座面の高さは、膝が股関節に平行またはやや高い位置になるようにします。
・デスクワークを長時間行う際は、背もたれにきちんと寄りかかることも大事です。
(2)運動で筋力を保つ
腰への負担を少なくするため、腰回りの筋力を増やすことも予防になります。
ただし、無理は禁物。できる範囲で少しずつトレーニングしましょう。(腰痛が悪化する危険がありますので注意しましょう)
(3)定期的にストレッチを行う
長時間同じ姿勢を続けると腰の筋肉への血行が悪くなり、腰痛を引き起こすので、定期的にストレッチを行うことが大事。(無理なストレッチは腰痛を悪化する危険がありますので注意しましょう)
様々なサイトで着席腰痛予防を調べてみて、整理すると(1)~(3)の3点に集約されると思います。「(2)運動で筋力を保つ」は、衰えた筋力をすぐどうこうできるものではないので地道に続けていくしかありません。
「(1)よい姿勢を保つ」「(3)定期的にストレッチを行う」は、気をつけていればできます。しかしながら、時間が経つにつれ「よい姿勢」は崩れていってしまう。それでは、どうすれば「よい姿勢」=「骨盤をたてる」を長時間保てるのか。
そこで、次の腰痛対策グッズを使用するです。
(4)腰痛対策グッズを使う
デスクワークなどの長時間作業を補助するグッズとして「腰痛クッション」「腰痛対策チェア」があります。
「腰痛クッション」は、すでにある椅子などに取り付けて使用するものです。メリットは、取り外しができるため、様々な場所で使用することです。また、次に示す「腰痛対策チェア」より安価で購入できます。
「腰痛対策チェア」は、クッションに比べ高価であるが、長時間作業を考慮した設計になっているため、長い間良い姿勢を保ちやすくなっています。
それでは、「腰痛クッション」「腰痛対策チェア」それぞれの選び方についてですが、「腰痛クッション」については以前の記事で説明していますのでそちらをご覧ください。
腰痛クッションの選ぶ 腰痛クッションを買ってみたらこうなった!!
腰痛対策チェアの選び方
タイプ
ゲーミングチェア
長時間ゲームをプレイするのを想定して造られたチェアです。そのため、正しい姿勢を保つ工夫がされていて、腰の負担を抑えられ、疲れにくくなっています。
オフィスチェア
パソコン等を使用する作業が多い方に向いているのが「オフィスチェア」です。
ただし、ゲーミングチェアのように、背部や腰全体を包み込むような構造になっていないので、何時間も座って作業していると、疲れることがあります。
形状
ハイバックチェア
長時間作業を行う方は「ハイバック」。背中全体をしっかりサポートしゆったりとした座り心地が得られます。また、ヘッドレス付きであればリクライニングしたときに頭を支え、快適にサポートしてくれます。
ローバックチェア
狭い部屋などで使用する方には「ローバック」。低めの背もたれで圧迫感が感じられにくく、自然に正しい姿勢が保てます。
素材
メッシュ
細かな網目の素材で通気性が良く、夏場や長時間の作業で蒸れが気になる方に適しています。デメリットは、細かな網目にほこりがたまりやすいです。
布地
布地
椅子に使われている素材としてはもっとも一般的です。やわらかな触り心地と質感良く、オフィスに合わせたカラーが選択できます。デメリットは、水や汚れに弱いです。
PUレザー
合皮素材ですが、本革と遜色ない高級感や重厚感を醸し出す素材で、本革よりかなり安価です。デメリットは、通気性が悪く蒸れやすいです。
その他
腰当て(ランバード)付き
ランバード(腰当て)によりS字カーブをサポートすることができ腰から背中の負担を抑えることができます。また、ランバードサポートの調整ができるとさらに良い。
肘掛け(アームレスト)付き
肩への負担が気になる方は、肘掛け付きがおすすめ。ただし、肘掛けがデスクに当たり、デスクの下に収納できない場合があるので、その場合は肘掛けの高さが調整できるものを選びましょう。
座面の高さ・奥行の調整ができる
長期間使用していると汚れが気になります。洗濯は、丸洗いOKかカバーのみなのか確認が必要です。また、蒸れ防止、滑り止めなどの確認も必要です。
腰痛対策チェア おすすめ
さまざまなECサイトを参考に私なりにおすすめをリストアップしました。
なお、商品の詳しい内容は、各サイトに記載されている内容・商品説明をご確認ください
ゲーミングチェア
GTRacing (ジーティーレーシング) オットマン付きGT002F
GTRacing (ジーティーレーシング) は、2011年に中国で創業され、2021年には日本にも設立されたメーカー。コスパを優先するのであれば、amazon売れ筋ランキング1位のGTRacing (ジーティーレーシング) GT002Fです。
人間工学に基づいた設計で、からだ全体を包み込み付属のランバーサポートが腰をしっかり支えてくれます。
サイズ:幅67.31×奥行51.15×高さ120.65cm~132.08cm
本体重量:約22.18kg
身長:150~180cm(限界値190cm)体重:45~80kg(限界値136kg)
座面調整高さ:43~53cm
材質(背もたれ座面部):PUレザー
リクライニング:最大165° オットマン(足置き):〇(収納タイプ)
タンスのゲン CYBER-GROUND
1964年の創業以来“家具屋”として日本中に家具を販売してきた「タンスのゲン」が提案する低価格のゲーミングチェア。
好きな角度で調整できる無段階リクライニング。位置調整、着脱可能のランバーサポートで腰のS字カーブをサポート。素材には、肌触りの優しく撥水性が優れているPUレザーを採用。また、キャスターには、通常より音が静かで、横滑りを抑え床を傷つけにくいPUを採用。
サイズ:幅71cm×奥行71cm×112~120cm
本体重量:18kg
身長:- 体重:最大110kg
座面下高さ:40~48cm
材質(背もたれ座面部):PUレザー
リクライニング:最大170° オットマン(足置き):〇(収納タイプ)
AKRACING WOLFシリーズ
AKRACING(エーケーレーシング)は、レーシング車用シートの製造から始まった中国のメーカーです。本シリーズは、日本市場向けに特別仕様として日本人の標準的な体格を意識した設計されたゲーミングチェアです。通気性及び肌ざわりの良いファブリック生地を使用し、チェアの基本機能および構成パーツ各所に上位機種の仕様を継承しています。
サイズ:幅65 cm×奥行65cm×129cm
本体重量:25kg
身長:-cm 体重:最大150kg
座面下高さ:33~40cm
材質(背もたれ座面部):ファブリック生地、PUレザー
リクライニング:最大180° 12°のロッキング機能 オットマン(足置き):×
CORSAIR T-3 RUSH
CORSAIR (NASDAQ:CRSR) はゲーマー、コンテンツクリエイター、PC ファン向けに高性能ギアとテクノロジーを開発・製造しているメーカーです。
肌触りのよい布地は蒸れにくく、脱着式のクッションが腰(低反発)と首をサポートすることで長時間作業でも疲れにくく、在宅ワークなどの作業効率を高めることができます。
サイズ:幅55.9cm×奥行68.1cm×高さ136.9 cm
本体重量:43.87 ポンド(約20kg)
身長:最大180cm 体重:最大120kg
座面調整高さ:48~58cm
材質(背もたれ座面部):ファブリック素材
リクライニング:90~160° 10°のロッキング機能 オットマン(足置き):×
DXRacer(ディエックスレーサー)AIR AL-7100BKB V2
フルエアメッシュ製で通気性に優れています。ランバーサポートは脱着が簡単に行えるマグネット式、ヘッドレスは上下8段階調整可能の低反発メモリーフォーム。アームレストは、上下昇降、左右首振り、前後スライドの3つの動きで姿勢や体形・使用用途に応じて、最適な位置での調節が可能。
サイズ:幅72cm×奥行72cm×130cm
本体重量:22kg
身長:155~180cm 体重:最大100kg
座面下高さ:44~52cm
材質(背もたれ座面部):エアメッシュ
リクライニング:最大135° 15°のロッキング機能 オットマン(足置き):×
ゲーミングチェア一覧
商品 | サイズ 大きさ(cm)、重量(kg) | 身長(cm) 耐荷重(kg) | 表面素材 | 座面調整 (cm) | リクライニング | オットマン |
GTRacing オットマン付きGT002F | 幅67.31×奥行51.15×高さ120.65~132.08 約22.18 | 150~180 (限界値190) 45~80(限界値136) | PUレザー | 43~53 | 90~165° | 〇 |
タンスのゲン CYBER-GROUND | 幅71×奥行71×高さ112~120 18 | - 110 | PUレザー | 40~48 | 最大170° | 〇 |
AKRACING WOLFシリーズ | 幅65×奥行65×高さ129 25 | ー 150 | ファブリック生地、PUレザー | 33~40 | 最大180° 12°ロッキング | × |
CORSAIR T-3 RUSH | 幅55.9×奥行68.1×高さ136.9 約20 | 180 120 | ファブリック素材 | 48~58 | 最大160° 10°ロッキング | × |
DXRacer AIR AL-7100BKB V2 | 幅72×奥行72×130 22 | 155~180 100 | エアメッシュ | 44~52 | 最大135° 15°ロッキング | × |
オフィスチェア
山善 EHL-50(WH/BK)
メッシュ仕様で蒸れにくく、快適に作業を行うことができます。また、ランバーサポート付きで自然のS字カーブ形状をサポートします。座部もしっかり厚みがあるので座り心地が上々。さらに、コンパクトでスリムなのでお部屋を圧迫しません。
サイズ:幅51.5cm×奥行59cm×高さ85~97cm
背もたれ:高さ47cm
本体重量:6.1kg
体重:最大300ポンド(約136kg)
座面下高さ:41~53cm
材質:メッシュ(背)、ウレタン(座面)ポリエステル(座面生地)
リクライニング:なし
その他:ランバーサポート付き、アームレストなし
アイリスプラザ OFC-M
腰部分の移動可能なランバーサポートで背骨を自然のS字カーブをサポートするので、長時間の作業でも腰や背中が疲れにくい。また、背もたれ材質にメッシュ素材を使用することで通気性抜群で蒸れにくい。
サイズ:幅65cm×奥行61cm×高さ98cm
背もたれ:高さ56cm
座面厚さサイズ:6.5cm
本体重量:7.7kg
体重:最大110kg
座面下高さ:44~56cm
材質:メッシュ(背)、ウレタン(座面)ポリエステル(座面生地)
リクライニング:なし(ロッキング最大15度)
その他:ランバーサポート、アームレスト付き
タンスのゲン 〔31500015〕
可動式の腰サポートクッションにより腰への負担を抑えられます。シート素材は、高耐久の競技用メッシュを採用。さらに背面には2層タイプのメッシュ、座面には伸縮タイプのメッシュを採用して蒸れにくくなっています。また、上半身を受け止めるハイバックとロッキング機能付きで座りながら伸びができます。また、アームアップ方式のアームレストで収納しやすい。
サイズ:幅64cm×奥行64cm×高さ114cm
背もたれ:高さ62cm
本体重量:15kg
体重:最大100kg
座面下高さ:45~52cm
材質:メッシュ(背) -(座面) メッシュ(座面生地)
リクライニング:なし(ロッキング最大20度)
その他:ランバーサポート・アームアップ式アームレスト
オカムラ 8VCM1A-FHR1
長期間のオフィスユースを前提としたJIS(日本工業規格)に基づく強度、耐久性の試験をクリア。背面には、ストライプメッシュを用いて適度な弾力性があり身体をやさしく包み、蒸れにくく一年中快適。アームレスト付きもあり。
サイズ:幅64.4cm×奥行64.4cm×高さ98.6cm
背もたれ:高さ62cm
本体重量:15kg
体重:最大100kg
座面下高さ:43.5~53.1cm
材質:メッシュ(背) ウレタン(座面) ファブリック(座面生地)
リクライニング:なし(ロッキング最大15度)
その他:アームレスト付きあり
オフィスチェア一覧
商品 | サイズ 大きさ(cm)、重量(kg) | 耐荷重(kg) | 素材 | 座面調整 (cm) | リクライニング | その他 |
山善 EHL-50 | 幅51.5×奥行59×高さ85~97 6.1 | 136 | 背もたれ:メッシュ 座面:ウレタン 座面生地:ポリエステル | 41~53 | なし | ランバーサポート付き |
アイリスプラザ OFC-M | 幅65×奥行61×高さ98 7.7 | 110 | 背もたれ:メッシュ 座面:ウレタン 座面生地:ポリエステル | 44~56 | なし 15°ロッキング | ランバーサポート アームレスト付き |
タンスのゲン 〔31500015〕 | 幅64×奥行64×高さ114 15 | 100 | 背もたれ:メッシュ 座面:? 座面生地:メッシュ | 45~52 | なし 20°ロッキング | ランバーサポート アームアップ式アームレスト |
オカムラ 8VCM1A-FHR1 | 幅64.4×奥行64.4×高さ98.6 | 100 | 背もたれ:メッシュ 座面:ウレタン 座面生地:ファブリック | 43.5~53.1 | なし 15°ロッキング | アームレスト付きあり |
まとめ
今回は、長時間のデスクワークやゲーミングによる腰の痛みの予防グッズとして、ゲーミングチェアとオフィスチェアについてご紹介しました。
私の場合は、椅子の設置場所がなく、腰痛クッションで対応しましたが、やはり良い姿勢を長時間保つためには、椅子を選択したほうが良いと思います。
本記事で紹介している商品は、様々なECサイトを参考に私個人の意見としてピックアップしたものです。予めご了承ください。
最後に、腰痛対策チェアは腰痛を改善するためのものではありません。長時間作業を行う時は、定期的にストレッチなど軽い運動を行い予防に心がけましょう。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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